カクヨムに投稿しております拙作「月下世界紀行」に、新作を書きました。
第五作にあたる一話完結掌編で「世界の果て」と題しました。
この世が終わると聞いて、世界の壊れるところを見に行ってみた。
という書き出しで始まる、1400字しかない、長編体質の私にしては驚異的に短い作品です。
「月下世界紀行」は、私の作風が詰まっていて、ぱっと手にとって読んでもらいやすい、どの章からでも読めるファンタジー詰め合わせセットのような作品集です。「世界の果て」や終末というモチーフも、私には重要なテーマみたいで、「カルテット」にも「三都幻妖夜話」にも出てきますので、作風を代表するモチーフとして、書いておきたいなということで。
でも、「月下世界紀行」に出てくる終末も世界の果ても、あまりセンセーショナルじゃなくて、そこらへんの観光地みたいで、月下世界紀行らしい独特のノンビリさが出せてよかったです。
まあ、よく考えると、ファンタジーの異世界にとっては、世界が終わったり、マップに果てがあったりするのって、めっちゃフツーですね。よくあるよくある。手垢のついた話。そういう事かもしれません。ちょっとシニカルなんです、「月下世界紀行」
第五作目の構想はずっと何年も前からあって、氷海の果ての世界の終わりに挑む大探検家のワンシーンの絵がずっと自分の中で暖められていたんですが、なかなか書く機会がなく。今回、急に着手したのは、Twitterで知った「かべうちβ」という、らくがきをUPするサービスにアカウントをとったせいでした。
椎堂かおるのかべうち ← 私の壁です
Twitterアカウントと連携して、かべうちβにアカウントを持っている人にしか、閲覧できません。残念ながら。
本来、絵をUPするところなのですが、私は絵を描くことがないので、中身見たくてアカウントを取ったものの、使いみちがなく。でも文字だけでも投稿できて、いち投稿あたり1000文字までOKとのことだったので、それにおさまる掌編を書いて、壁打ちしたいなと思いついたんです。
千文字程度だと、文庫ページメーカーさんで文字画像を作っても3ページで、Twitterで1ツイートに全文、添付できてしまします。先程表示していた表紙画像をつけて4枚絵でツイートできます。
画像化した内容は、カクヨムさんにUPした1400字の原稿から、ガツガツ削った943文字ダウンサイジング版です。原稿用紙4枚しかない作品から、1枚分の文字数を削ったので、味わいなんかも違うかもしれませんが、まあ同じ話です。まだもうちょっと削れるかなあとも思いますが、小説にはどんな情報が必要か、この描写やこの設定はいるのかいらないのか、思案するいい機会でした。
どっちがお好みか、読み比べていただいても面白いかもしれません。(めちゃくちゃお暇でしたらぜひ)
私は自分では、自分のことを、描写を削りに削って作品をスレンダーにしていっても、魅力の増す書き手ではないと思っていて、自分の文章には、ほどほど無駄な贅肉があるからいいんだなというつもりでいます。ちょっとした余分な言い回しに独特の味があるなーみたいな。そういうタイプなのかなあ、と。
でも、943文字にしても、書き手の個性って残るものでしょうか?
残ってるといいんですけどね。
カクヨムでは新作をUPすると、フォローしてくださっている方々にはすぐに通知が入りますので、すでにお読みくださって、応援ボタンを押してくださったり、評価の☆を入れてくださった方もおられました。ありがとうございます。サイトの告知記事のほうが後手に回ってしまいます。なんでも素早い時代になりましたね〜。
ゆっくりとサイトのほうで告知を見てくださる方もおられるかと思いますし、昨今の早すぎるインターネットには私も少々ついていけないので、サイトはサイトで引き続きこのようにゆっくり運営していこうと思います。どちらかご都合に合う方で、お付き合いください。
「月下世界紀行」には、まだ書いていないネタ在庫もあるので、先々また気が向いたら新作を追加するかもしれません。そんなにバリバリ書くシリーズではないのですが、有り難いことに、この作品が好きと言ってくださる方もいらして、私も気に入っている作品シリーズですので、また何か書けたら嬉しいです。